「먹다」は日本語で「食べる」という意味の単語ですが、実は「먹다」は「食べる」という意味以外でも使われていることをご存じでしょうか。
実は「먹다」には多義語的な使われ方があります。
今回は韓国語学習において欠かせない「먹다」を使ったフレーズをご紹介します!
これを読めばあなたも「먹다=食べる」という意味から抜け出し、より多様な場面で「먹다」を使いこなせること間違いなしです!
韓国人がよく使う「먹다」を使ったフレーズ一覧
まずは、韓国人がよく使う「먹다」を使ったフレーズを見ていきましょう。
| 나이를 먹다 | 年を取る |
| 마음을 먹다 | 心に決める |
| 술을 먹다 | お酒を飲む |
| 약을 먹다 | 薬を飲む |
| 겁을 먹다 | 怖気づく |
| 점수를 먹다 | 得点する |
「먹다」はこんなにも幅広く使われていたんですね。
「먹다」は食文化を大切にする韓国人にとって無くてはならない単語と言っても過言ではないため、ここからは一つずつ詳しく見ていきましょう!
나이를 먹다(年を取る)

「나이를 먹다」は直訳すると「年を食べる」ですが、意味はシンプルに「年を取る」です。
なぜ「먹다」という動詞を使うのかと言うと、韓国語の「먹다」には「外部のものを自分の体内に取り込み、自分の一部にする」というイメージがあります。
1年という時間を自分の中に「取り込んだ」結果、自分の年齢が1つ増え、一度食べたものは消えずに自分の中に刻まれていくというニュアンスが含まれています。
また、韓国では日本とは異なり、誕生日ではなく新年を迎えると一斉に年を取るという文化が強く根付いておりました。
特にお正月に食べる「떡국(餅のスープ)」との結びつきが強く、「떡국を食べたら1歳年を取る」という言い回しまであるのだとか。
そのため、「먹다」を使って「年を取ると」表現することは、韓国人にとっては非常にしっくりくる表現なのです。
- 나 이제 나이 먹기 싫어, 계속 20대로 있고 싶은데.
もう年取りたくないさ、ずっと20代でいたいよ。 - 나이를 먹을수록 건강이 최고인 게 느껴져요.
年を取るほど健康が一番だと感じます。
마음을 먹다(心に決める)

「마음을 먹다」は直訳すると「心を食べる」ですが、意味は「心に決める、決心する」です。
先ほどもお伝えした通り、「먹다」には自分の中に取り込んで体の一部にするという考え方があり、そこから派生して「揺らいでいた自分の心を食べて、意志を固める、腹をくくる」というイメージから「먹다」という表現が使われています。
- 이번에 볼 시험은 마음을 단단히 먹고 임해야 돼.
今回受ける試験は覚悟を持って臨まないといけないな。 - 나쁜 마음을 먹으면 안 돼.
悪い考えを持ってはいけないよ。
また、韓国語の「마음(気持ち、心)」も「먹다」と同じくらい多様な場面で使われる単語です。以下の記事で「마음」にフォーカスした解説をしているので、こちらもぜひご覧になってみてください!

「마음」は日本語で「心、気持ち」という意味です。
この「마음」という言葉は、韓国人にとって感情や状態を表すのに欠かせない言葉です。…
술을 먹다(お酒を飲む)

「술을 먹다」は直訳すると「お酒を食べる」となりますが、「お酒は食べ物ではなく飲み物じゃないの?」と思いますよね。
もちろん、韓国語でも「飲む(마시다)」という動詞を使って「お酒を飲む=술을 마시다」という表現もあります。
こちらもよく使われますが、特にネイティブは「술을 먹다(お酒を飲む)」と表現することが多いです。
「먹다」と「마시다」の違い
「먹다」と「마시다」の使い分けですが、2つの表現は微妙なニュアンスの違いがあるので解説していきます。
술을 먹다:お酒を飲むという行為だけでなく、お酒という文化やお酒を飲む場の雰囲気までまるごと楽しむというニュアンス。
술을 마시다:お酒を「飲む」という動作にフォーカスしているイメージ。「먹다」よりも多少上品なニュアンス。
韓国人は日常生活では圧倒的に「술을 먹다」という表現を使います。これは、「お酒を飲む」という行為だけでなく、술자리(お酒の場)ごと楽しむという感覚が強いためです。
- 너 술 잘 마셔?
君はお酒よく飲むの? - 야, 우리 같이 술 먹으러 가자!
ねぇ、一緒にお酒飲みに行こ! - 술 좀 그만 먹어.
お酒はそれくらいにしときなよ。
皆さんも友達を飲みに誘うときはぜひ「술 먹자!(お酒飲も!)」と誘ってみてください。「먹다」を使えばよりネイティブらしく伝わりますよ!
약을 먹다(薬を飲む)

「약을 먹다」は直訳すると「薬を食べる」ですが、こちらも「술을 먹다」と同じように「薬を飲む」という意味になります。
こちらは、日本語通りに「약을 마시다」と使うことはできないので、注意です。必ず「약을 먹다(薬を飲む)」という表現になります。
こちらが学習者にとって間違いやすいポイントになるので、詳しく説明いたしますね!
なぜ「마시다」ではなく「먹다」なのか?
韓国語の「마시다」には「液体をゴクゴクと流し込む動作」に特化した言葉です。
一方で「먹다」は「栄養や効能を摂取して体に取り込む」という意味を持っています。
韓国はその昔、薬と言えば한약(韓薬)という、植物や根を煎じたスープのようなものが主流でした。これは単なる液体としての認識ではなく「体に栄養を与える食べ物」と同じ扱いだったため、「摂取する=먹다」という表現が定着したのだと言われております。
「약을 마시다」でも全く通じないわけではないのですが、ネイティブの方は違和感を感じるので、必ず「약을 먹다」という表現を使いましょう。
- 오늘 약을 먹는 걸 까먹었어.
今日薬を飲むの忘れちゃった。 - 감기에 걸렸으니, 약을 먹어지.
風邪を引いたから、薬を飲まないと。
また、目上の人に対して言う場合は、「먹다」の尊敬語「드시다(召し上がる)」を使いましょう。
- 얼른 약을 드세요.
早く薬をお飲みください。 - 오늘은 약을 드셨어요?
今日は薬を飲まれましたか?
겁을 먹다(怖気づく)

「겁을 먹다」は直訳すると「恐怖を食べる」という意味になりますが、実際は「怖気づく」「ビビる」「ひるむ」という意味になります。
こちらも「먹다」の「外部の物を自分の中に取り込んで、一体化させる」というニュアンスから来ています。
単に「怖い」と感じるだけでなく、恐怖に飲み込まれて消極的になったり縮こまったりする状態を指します。
- 그렇게 겁 먹지 마, 넌 할 수 있어!
そんなに怖気づかないで。君ならできるよ! - 낯선 환경에 있으면 겁을 먹기 마련이지.
見知らぬ環境にいるとビビるのも当然だよ。
점수를 먹다(得点する)

「점수를 먹다」は直訳すると「点数を食べる」ですが、実際は「得点する」という意味で使われます。
ただ、これまでの「먹다」シリーズ(年齢、悪口)などと比較すると、少し特殊なニュアンスや使われる場面が決まっているため、詳しく解説いたします。
まず、「得点する」という韓国語は二つあります。
- 점수를 따다:「(努力して)点数をもぎ取る、獲得する」という一般的でポジティブな表現。(テストや試合など)
- 점수를 먹다:「(勝負事で)点を拾う、点を入れる」という、少しラフで口語的な表現。
ここで使われている「먹다」ですが、囲碁や将棋あるいはトランプゲームなどで「相手の駒や手札を食べる(自分のものにする)」という感覚から来ています。
イメージは相手から点数を奪って、自分のスコアとして飲み込んでしまうようなニュアンスです。
「점수를 먹다」の方が少し勝負師のような、あるいはラフな響きになります。
- 아싸, 상대방 실수로 우리가 점수를 먹었어!
やった、相手のミスで自分たちが点を取ったぜ! - 이번 판은 내가 점수를 먹고, 다음 판에는 네가 점수를 먹어.
この回は俺がもらう(勝つ)から、次は君がもらいな(勝ち点を付けな)。
まとめ
いかがだったでしょうか。
韓国語を学び始めて最初に覚える動詞の一つ、「먹다」。
しかし、その正体は単なる「食べる」という動作を超えた奥深い単語でしたね。
今回のポイントを振り替えってみましょう。
核心は「自分の内側に取り込む」こと
「먹다」は、食べ物だけでなく、時間、感情、責任、あるいは勝利を自分の一部にするという感覚で使われます。
- 나이를 먹다(年齢を食べる=年を取る)
- 마음을 먹다(心を食べる=心に決める)
- 겁을 먹다(恐怖を食べる=怖気づく)
「飲む」も「食べる」になる不思議
液体であっても、それが「その場の文化を楽しむもの」や「体に効能を取り込むもの」であれば「먹다」を使います。
- 술을 먹다(お酒を食べる=お酒を飲む)
- 약을 먹다(薬を食べる=薬を飲む)
勝負の世界での「手に入れる」
「먹다」には、相手の物を奪って自分のものにするというニュアンスも含まれています。
- 점수를 먹다(点数を食べる=得点する、点数を奪い取る)
おわりに
韓国語の「먹다」を知ることは、韓国人の「経験を血肉にし、物事を主体的に捉える」という独特の感性に触れることでもあります。
次に韓国で美味しい맛집(美味しい店)に訪れたときは、美味しい料理と一緒に、この「먹다」の多様な表現もぜひ取り込んでみてください!きっと、もっと韓国語が身近に感じられるはずです!
また、「먹다」と同じくらい身近な単語「찍다」も実は多義語だったのをご存知でしょうか。
こちらの記事で多義語「찍다」について詳しく解説しておりますので、「より韓国語を学びたい!」という方はぜひこちらもご覧ください♪

「찍다」は「(写真を)撮る」という意味でよく使われる基礎韓国語ですが、実は全く別の意味も持つ多義語だということをご存じでしたでしょうか。…
それではまた次回!
안녕~

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